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今の安定は未来の不安定?未来の事なんて誰にも分かりませんよね。
だったらせめて 自分でコントロール出来る不安定 にしたくはありませんか?
そのために、リハビリテーション業界が置かれている”今”について知る事が大切です。
ここでは、なぜ今、療法士が起業・独立すべきなのかのお話をしたいと思います。
理由は3つ。
この記事で分かること
- 理学療法士の給与水準の変化
- 今後のリハビリ需要の見通し
- 制度に囚われることの意味
シンプルな内容ですが、実は奥が深い事柄だと思います。一つずつみていきましょう。
1.上がらない給与
自己紹介などで理学療法士と言うと、
国家資格だから安泰だね!
お給料も良いんでしょう?
なんて言われることもあるのではないでしょうか?
実際本当にそうなのでしょうか?働いている皆様はどう思われますか?
個人的な見解としては、
20代は比較的に良いがその後は尻すぼみ。昇給の幅は大きく期待できない。
と考えています。その理由はいくつかあります。
単位数の限界
例えば、病院での勤務の場合、医療保険制度の中で時間内に算定(収益)できる単位が
〇〇時間=○○単位と決まっているため、収益に貢献出来る上限が決まっています。
それは訪問看護ステーションでの勤務においても同様です。
給与を払う側からすると、療法士が組織にもたらせる利益の上限が決まっているわけですから
給与は上げ渋ります。
極端な話、高給な管理職を一人置いてあとは薄給の新人たちを雇う方がコストは安定するのです。
技能が給与に反映されない
別の切り口から考えると、技術研鑽や能力に対して給与に勘案するという事がありません。
制度を利用する上では誰もが平等に扱われないといけません。
どんなにスペシャルな技術や知識をもってしても ”制度利用” で給与を得ている限り、
あなたのスキルは給与には反映されないと言っても過言ではないでしょう。
年々下がっていく給与水準
少し古いデータですが、2016年に開かれた「財政制度分科会」によると、
理学療法士の給与水準は過去20年間では横ばい、2000年代前半に比べるとマイナス推移になっていることが示されているようです。
参考:スタンバイplus+
過去20年で給与水準が下がっている医療従事者は
理学療法士だけ
なのです。
出典:内閣府ホームページ「各医療制度における保険料率の推移(参考2)主な医療関係者の給与水準」
※注:岡山県作業療法士連盟から2022.03.21「作業療法士の社会的な処遇について」という記事が寄稿されておりました。平成13年から近年にかけて作業療法士の給与水準も低下の一途を辿っているとのことです。
看護師や薬剤師との格差広がった理由は
2024年2月12日 東京新聞に見出しのタイトル記事が掲載されました。要旨は以下の通りです。
引用元:東京新聞「同じ国家資格なのに…リハビリ専門職の賃金が上がらない 看護師や薬剤師との格差広がった理由は」
- 「リハビリ専門職」の賃金は20年来、横ばい状態が続く。
- 平均月給、20年間で6000円しか上がらず
- 薬剤師の平均月給は8万3000円増えて41万5000円に。
看護師は、3万2000円増の35万2000円になっている。- リハビリ職は、看護職や介護職にある事業所にある報酬加算システムがないため、薬剤師や臨床検査技師より等級が低く扱われ相対的に待遇が下がってしまったことが要因
- 日本作業療法士協会の山本伸一会長は「国や政治にアピールする活動も足りなかった」と振り返る。
つまり、制度内での算定(利益)には限界があるということですね。
つるかめさんは、「悲惨だねぇオワコンだねぇー」と言いたいわけではありません。
やみくもに働き続けるのではなく、自分の生き方は自分で選んでいけるように視野を広く持って欲しいと思っています。投資でも良いと思いますし 副業や週末独立などでも良いと思います。
制度一本でやっていくだけが働く選択肢ではないということを伝えたいのです。
また、上記の引用記事では”高齢化社会で需要は上がるばかり”と書いてありますが、つるかめさんの意見は少し違っていて、下↓に続きます。
給与が上がらない理由に関しては、もっと深堀した内容の記事を作りますので気になる方はそちらもご覧ください。
(というより、多くの悩める理学療法士のみなさんに知ってもらいたい内容ばかりです)
2.「高齢化社会」神話の崩壊
高齢化は頭打ち
高齢化社会が叫ばれ始めたのは一般的に1980年代から1990年代にかけてと言われています。
2019年には65歳以上の高齢者人口率は28.4%となりました。
高齢者はまだまだ増えるし、まだまだ必要とされる職よね!
高齢者が多いならリハビリを必要としている人も多くなるはず!リハビリ需要はまだある!
と思っている方々も決して少なくはないでしょう。取り分け以下のグラフが示す通り、
出典:内閣府 平成29年版高齢社会白書(全体版) 1 高齢化の現状と将来像
2040年までは今後も高齢化社会は続いていくようです。
あと十数年で高齢者の増加にはストップがかかるという事ですね。
ん・・・? ちょっ待てよ、、、、
思っていたよりも近い未来に高齢者の増加のスピードは減速していきますね。
同業種の飽和現象
加えて、我々が働く上で加味しなければならない重要なポイントはもう一つあります。
毎年約1万人近い理学療法士が誕生しているということです。直近の2023年の国家資格合格者数は
理学療法士は11,321人、作業療法士は4,793人でした(マイナビコメディカル セラピストプラス+調べ)。
現在の国家試験合格者数は 理学療法士約21万人、作業療法士約9万人との事です。養成校の数も毎年増えていっています。
平成31年4月5日に「医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回)」が開かれました。そこでは今後の療法士の需要と供給について以下の様に記されています。
出典:厚生労働省 「医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回)」
”
・・・現時点では需要数を上回っており、
2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍となる結果となった。
平成31年春時点でですよ!?この文章が言わんとしている事は、
「療法士の数は間に合っているから療法士の質を上げて下さい。」
という事です。
23人の争奪戦
2023年の要介護(要支援)認定者数は約694万人です。
高齢者のリハビリテーションだけを考えてみると、1あたりの療法士が担当できる高齢者は約23人になります。
語弊を恐れず言えば
この23人の争奪戦がすでに始まっているという事なのです。
※療法士の活躍の場は、何も高齢者のフィールドだけではありません。
例えば、こちら。関連記事
3.多様化する”働く”価値観
~出世したくない新人
出世したくても出来ない中堅
引き継ぎ手がいない役職者~
日本の終身雇用制度にも変化が見られている昨今ですが、
上記のサブタイトルのような現象が職場で起きていることも多々あると思います。
年功序列での昇給やエスカレーター式に役職が付くということも少ないそうです。
~出世したくない新人~
これは実際につるかめさんが経験した事です。
あるところに新入職の20歳代後半のスタッフがおりました。
とてもしっかりしていて仕事にも前向きで積極的で勤勉で気が利く、
とても秀でた魅力をもっているスタッフでした。
つるかめさんが勤務に対しての将来的なビジョンを尋ねた時にそのスタッフは
出世だけはしたくないです。
自分のやりたい事が出来なくなって仕事と責任も増えるので無理です。
残業もしたくありませんし!^^b
と言っていました。
つるかめさんがこの類の話を聞いたり経験したりしたことは1度や2度ではありません。
年齢も20代後半~40代まで広く聞かれました。
のちに、彼らにもしっかりとした言い分があるという事が理解出来ました。
※その話はまた今度☆
もともと専門性が高い職域なので、
管理とか運営・経営などに関心が薄い部分がある職業なのかもしれませんね。
出世だけが働く道ではありませんし、今はプライベートも大切にする時代になりましたしね。
~出世したくても出来ない中堅~
逆に、給与アップやネームバリューが欲しくて役職が欲しい年ごろになってくるの中堅どころ。
大きい組織では上層部が入れ替わらずに役職交代などの新陳代謝が活発でないところもあります。
小さい組織ではそもそも役職が無いところもあります。
営業利益も多くないので大幅な昇給などは期待できないかもしれません。
つるかめさんの経験値ではこんな人が居ました。
役員報告会にて役員の前でこんなこと(自分アピール)を言ってました。
つるかめさんが出している提案よりも僕が考えている案の方がみんな良いと思っていると感じています。前につるかめさんは「■■は勝手に内輪で決めちゃえば良い」って言ってましたけど僕はそう思わないんです。やっぱりみんなで話し合うべきじゃないですかぁ~。この話って○○さんに言いました?僕だったらこんな進め方しないなって思って、僕から○○さんに個別に連絡しちゃいましたぁ~。その方がみんなで話し合う時間が取れると思ってぇ~。
いやいや内輪で決めちゃえなんて言うわけないしなぁ。
次回の会議をいつにするか聞いただけなのに、内緒で決めちゃうことになっているし💦
役員の面前でのつるかめサゲ↓自分上げ↑がすごいな、、、6^^; 早口だし。
彼はとても出世欲と承認欲求が強くて人事権を握っている上司には
自分をよく見せようと取り入ろうとする姿勢がビンビンに伝わっていました。
自分以外は自分を引き立てるモブキャラくらいにしか思ってなかったようです。
事務所スタッフや他事業所の職員からもいい評判は聞きませんでした、、、。
こういったタイプの出世したくてたまらない雰囲気が悪い方向に出過ぎてしまっている人は
おおよそ出世できませんorz
なぜなら人々を統べる方法論を勘違いして利他的ではなく利己的になっているからですorz
~引き継ぎ手がいない役職者~
役職者目線で見ると、
手元に良い人材がいない場合は業務の引き継ぎや業務整理が追い付かず
膨大な量の仕事を抱えてワークライフバランスが崩れていることも良くある話です。
役職者は基本的に残業代が付きません。
しかし、早く帰ろうにも仕事が片付かない。
(中には 残業=正義 と考えている年齢層の方もいるかもしれません。)
有能な部下ほど管理業務をしたがらず、結局自分で抱えるようになっていきます。
中には、仕事を上手く切り盛りできる上出来な管理者さんもおられると思います。
しかし、つるかめさんは思うのです。
役職があるから捌ききれない過剰な仕事をたくさんしないといけないのでしょうか?
給与を多くもらっているから早く帰ってはいけないのでしょうか?
責任があるから家族やプライベートを二の次にして業務に勤しなまければならないのでしょうか?
それって本当に適正なのでしょうか?
つるかめさんは NO だと思います。
管理者だって役職者だって人間です。家族も居ます。プライベートもあります。
つるかめさんは少し大きな会社の管理職と本部経営に携わっていた事があります。
仕事が出来きるようになると振られる仕事も降ってくる仕事も倍になっていきました。
いつの間にか、自分の手が届く範囲の仕事が少なくなってきて忙殺されていきました。
いったい何のために生きているのか見失ってしまう事が多々ありました(笑)
※臨床と管理業務は別物なので一概に良し悪しは言えませんけれども。
療法士の”管理職”についてはまた別の記事を上げますので気になる方はそちらをご覧ください。
まとめ
リハビリテーション業界が置かれている”今”
・制度内で給与を増やしていく事には限界がある(伸びしろ低め)
・2040年をピークに高齢者の増加率は減っていく
療法士は年間1.5万人以上のペースで増え続けている
・働き方の多様化の背景には制度内で働くが故の運命がある
今回、つるかめさんが問題提起した内容はほんの一部だと思います。
しかし、
こういった意識を持って将来の不安をコントロールしていく目線は大切だと思います。
そのために今のうちから将来のためのキャリアデザインを考えたり、
制度では手が行き届かない人・物・事にビジネスチャンスを見出したり。
※キャリアデザインについては下記もご参考に★
終わりに
制度に則るということは制度上の算定に縛られて仕事をするということです。
「制度の庇護を受ける=制約に合わせたワークライフバランスを見つけなければならない」
制度改定の度に、「リハビリの単位下がるかなぁー」とそわそわするのです。
つるかめさんは現行の制度内で療法士が豊かになっていくことには限界があると思っています。
時代とともに制度も変わります。
制度とともに療法士の働き方も変わっていくことは必然だと思います。
療法士の働き方も従来の病院や施設、看護ステーションに囚われずに変わっていくことも自然流れだと思います。
副業を始めている人も居ます。
セミナー講師をしている人も居ます。
フリーランスをしている人も居ます。
もしかすると冒頭に話した新入職の20歳代後半のスタッフも
組織(制度)以外の所で自分の生き方を見つけていたのかもしれません。
あなたの居場所は みつかりましたか?
今感じた一抹の不安を一緒にコントロールしていきましょう。
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