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今回はつるかめさんが思う訪問看護ステーションで“今後”について記事にしていこうと思います。
いつからか療法士は給与が上がらない職種になってしまいました。その中でもとりわけ給与水準が高い訪問看護業界ですが、その訪問看護業界内での療法士の立ち位置は毎年変化していっています。
報酬単価の引き下げ、看護師と療法士との勤務バランス6:4問題、過剰供給と見えないゴール、、、などなど働き続けていく中でも問題は結構多くあります。
その問題を知って働くことと vs 知らないで働くこととでは今後の療法士人生が全く違う方向に進むでしょう。
この記事を読めば、今後の訪問看護ステーション勤務で自分がどのような価値観で働いたら良いのか、なぜこれだけはしてはいけないのか、どの道に進んでいったら良いのか、何を思って働き続ければ良いのかが分かります。
今やこれからの働き方に悩みや迷いがある方は是非チェックしてみて下さい★
都内随一の訪問看護ステーション事業所数を誇る法人で幹部をし利用者400名規模の訪問看護ステーションの管理をしていたつるかめさんが業界の”本当”について語っていきたいと思います。
この記事で分かること
- 訪問看護業界のこれから
- 訪問看護業界でどのように働いていくべきか
- 業界の変化に対する捉え方/心の備え方
月一回は必ず勉強会に行け
おいおい、いきなり勤勉論かよ⁉
と思ったそこのあなた。違うんです。つるかめさんが考える理由があるんです。
もうちょっと読んでいってくださいよ✋
知識と言うよりも”見識”を広くする
如何に訪問業務が忙しくなったとしても、
必ず月一回は専門的な勉強会(外部からの情報・刺激)に参加することを強くお勧めします。
”勉強するのが当たり前でしょ?”とか”業務の質をよくするために絶対必要!”いう意味ではなく、
常に外的な刺激に触れて知的好奇心を働かせ続けましょうという意味です。
訪問看護は業務の特性上、一人で仕事を行うことが多いです。
利用者への関わり方やリハビリ内容は療法士個人の知識や能力に左右されてしまうことも事実です。
忙殺されると視野が極端に狭くなり日々の余裕も無くなります。そして、働くことが辛くなり始めます。
※《特集》理学療法士の転職 訪問看護ステーションの”今” ~転職先として人気な理由と落とし穴7選~も併せてお読みください。
好奇心が湧かない
↓
感情の平坦化
↓
仕事のマンネリ化
↓
仕事つまんない、行きたくない
↓
好奇心が湧かない
↓
感情の平坦化・・・・
と負のサイクルに陥ってしまいます。
体もそうですが頭脳も適度に働かせていかないとどんどん錆びていきます。
そして同じ毎日の繰り返しに精神が蝕まれていきます。
そうならないために必要なことは、知的好奇心を働かせる(ワクワクする)ことです。
定期的に外部から刺激を入れることで、思考の活動、感情の動きが活発に円滑に行えるようになります。
同じ利用者と同じリハビリ内容を行っていても、発見や変化に気が付きやすくなります。
対人関係での感情の動きや機微へのセンサーも敏感に働くようにもなります。
ここでお伝えしたいのは、特別なスキルや手技を学ぼうということではなく、刺激を受ける環境へ能動的に身を投じましょうということです。
無料の研修会で良い / 趣味で良い
「あの技術を身に付けてあの人たちの力になろう!」も大変結構ですが、
ここで言う”刺激”と言うのは、もっとカジュアルで気軽に参加できる無料の研修会への参加と言う意味です。逆にその程度で良いのです。研修会や講習会であれば何でも良いと思います。
強いて言えば、より専門的なもの 自分が好きなもの の方が良いです。
本当に無料でライトなもので良いのです。
大切なのは
能動的に知的好奇心を刺激し続けること 思考や感情を停滞させないこと
です。
働きながら学ぶということは継続し難いこともあります。
だから、自分の負担にならないように好きな分野や好奇心が向く研修会で良いのです。
それも能動的に参加するのです。好きなことやちょっと気になることで良いのです。
探してみると案外、近所でやっている研修会もあります。
映画を観る感覚で全然良いよ。そんなに肩肘張らずに”やり続けること”が肝心だよ。
つるかめさんのおススメは、地域の中核病院や大学病院が定期的に開催している講習会などが良いと思うよ。
基本的に参加無料のものが多いし最新の見地なんかも教えてくれたりするから関心が薄くとも聞き入っちゃう内容が多かった印象だよ。
つるかめさんは神経難病の分野が昔から好きだったから、臨床とは別にライフワークとして仕事の合間を縫って、研修会に参加していたよ。3か月に1回の研修会を掛け持ちとその他にもちょこちょこって感じだったかな。例えば、東京都で言うとこれとか
武蔵野赤十字病院:講演会・研修会・公開講座のお知らせ かな。
コロナ渦もあってオンライン開催の研修会も増えたから前よりも参加しやすくなったかもね。
つるかめさんは研修会場に行きたい派だけど。
もし、あなたが一ヶ月の中で半日だけでも研修会や自己研鑽に時間が割けないという状況であれば、
今の生活や働くことへの姿勢を見つめ直す時期かもしれません。
漫然と続けるな
卒業/社会参加/進歩は出来ているか?
訪問看護ステーションは得てして慢性期/維持期の高齢者を対象にして行うことが圧倒的に多いです。
症状や後遺症が固定化されているからといってリハビリの内容まで固定化する必要はあるでしょうか?
確かに、慢性期ど真ん中で維持が目標で関わる利用者さんも居るでしょう。
ですが、生活期のリハビリテーションの一つの目標は社会参加に繋げることにあると思います。
報酬単価の引き下げリスク⁉
もし、あなたがいつまでも変わらないリハビリ内容を漫然と続けているだけであれば
それはリハビリ業界全体のマイナスに繋がっていきます。
「訪問で行うリハビリはだらだらと続けているだけで結果が出ない」
と後ろ指を指されて報酬単価を下げられたりする要因になるやもしれません。
理学療法士等の訪問が保健師又は看護師による訪問の回数を上回るような設定がなされることは適切ではない。
【理学療法士等による訪問看護関係】
こういった提言は随分と前から各所で挙げられています。
目先の訪問件数ばかり優先して利用者/地域に還元することを忘れてしまうと
医療業界内での療法士の立場はますます悪く狭くなっていきます。
訪問件数をこなすだけの仕事になってしまってはいけません。
結果は、必ず報酬改定等で自分たちに”還元”されます。
今ではなくこれからの自分たちに良い方向の”還元”がもたらされるように
漫然と仕事をこなすことは辞めましょう。結果は出にくくとも進歩は出来るはずです★
これは過去の自分に対して自戒の意味も込めて伝えているよ💦
当時のつるかめさんは効率良く稼ぐことしか考えていなかったから、
訪問を詰めて詰めてフル回転させて流れ作業のように毎回同じことをやって、数をこなすだけの仕事をしていたよ。本当にライスワークしていました。
そこには利用者さんのためとか社会貢献のためとか業界のためとかいう気持ちは一切なかったです、、、。結果、自分の中には空虚な時間しか残らなかったよ。
(それが原因で報酬改定マイナスになってたらすみませんm(__)m)
稼ぎ方を間違えるな
適正な仕事をするためには適正な時間がかかります。
訪問看護で歩合給の場合、訪問件数=給与 になるので一件でも訪問実績を多く稼ぎたくなってしまうこともまた事実です。ですが、
適正な仕事をするためには適正な時間がかかります。
大事なことなので2回言います。
適正な仕事をするためには適正な時間がかかります。
訪問を詰め込み過ぎると起こる弊害。それは ”浅くなる” ということです。
情報収集もリハビリ内容も関わり方も信頼関係も他職種連携も事務仕事も全てが浅くなります。
酷くなると、利用者さんの名前と顔やエピソードや背景などが一致しなくなります。
単なる勘違いではなく、複数の利用者の情報整理が追い付かなくなるのです。
利用者さんの全体像や新着情報が見えていないことはありませんか?
利用者さんにとってはあなたはたった一人の担当療法士です。
訪問件数をこなすだけの仕事になってしまってはいけません。
医療業界の多方面から目を着けられている、、、?
訪問看護業態で療法士が過剰に報酬を挙げていることは、「漫然と続けるな」の項目とも連関して訪問看護業界での療法士の立場を揺るがしています。
もともとは看護業務の一部を担う(看護補助)という立ち位置で組み込まれていたリハビリテーション算定が、看護の訪問回数を上回って訪問されているという実態が明らかになり看護協会等からさまざまな提言がありました。
下記は、全国訪問看護事業協会からの資料です。
訪問看護ステーションにおける理学療法士、作業療法士、言語聴覚士(以下「理学療法士等」という)による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、保健師、看護師、准看護師(以下「看護職員」という)の代わりに訪問させるものであるという位置づけとされていますが、この割合は平成21年頃より増加傾向にあり、現在では訪問看護単位数の3割以上を占めるに至っています。
本事業において実施した実態調査※においても、1か月の全訪問回数のうち8割以上を理学療法士等が提供したケースが「あった」と回答した事業所は半数近くに及び(図1)、
これらの事業所のうち、看護職員と理学療法士等の双方が訪問看護計画を「全く共有していない」と回答した事業所は約5%ありました(図2)。また、理学療法士等による訪問看護を提供している事業所において、看護職員と理学療法士等が利用者の日々の訪問看護の情報を「全く共有していない」と回答した事業所も約6%を占めました(図3)。
これらの調査結果から、理学療法士等による訪問看護を提供する一部の事業所において、看護職員と理学療法士等との連携が十分に図られていないという実態が明らかになりました。
4 訪問看護費
(4)理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の訪問について
① 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置付けのものである。
なお、言語聴覚士による訪問において提供されるものは、あくまで看護業務の一部であることから、言語聴覚士の業務のうち保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)の規定」にかかわらず業とすることができるとされている診療の補助行為(言語聴覚士法(平成九年法律第百三十二号)第四十二条第一項)に限る。
※引用:全国訪問看護事業協会:「訪問看護事業所における看護職員と理学療法士等のより良い連携のための手引き」について
連携が取れていないのに全訪問件数の8割も療法士が訪問に回っている
⇩
療法士が自分たちの領分で好き勝手にやっている。看護補助のはずなのに。
という目線です。
看護協会の言い分は理解できますが、
一定数の高齢者が地域でリハビリテーションを待っていたいということもこともまた事実です。
問題なのは、
・必要以上の回数や時間を費やして暴利を貪る働き方をする療法士が一部に居り
目に余るほどに突出してしまった闇の部分があるということ
・リハビリテーションを訪問業界で独立させることが出来ていない療法士側の政治的な力不足
にあるのだと思います。
今後も利己的になってしまう療法士が増えてしまうと後世に継ぐ制度的な地盤がどんどん矮小化してしまいます。
かつて暴利を貪っていたつるかめさんがまたまた自戒も込めて言っておりますm(__)m
極端な件数を回っていたことで一件一件の利用者さんに対してのリハビリの質や対応が粗末になっていました。利己的になると必ず”歪み”が生じます。その歪みの行く先は利用者さんでした。
本当にごめんなさい。
感覚的には、一日の最大訪問件数は6件が限界かなと思います。それ以上になると利用者さんの深堀や計画書・報告書、他職種連携などの付帯業務が疎かになります。
それに慣れると気にならなくなって、流れ作業で仕事をこなせるようになってしまいますので本当にご注意くださいm(__)m
看護協会とのお話は次の記事でもう少しお話するよん。
管理職にはなるな
もしあなたが訪問看護ステーションで長く働きたいのであれば管理職になることはお勧めしません。
※意思がある方や現状勤務してらっしゃる方を非難/否定する意図は決してありません。むしろ、応援しています。管理職の大変さはなったことがある人にしかわかりません。そういった方が居るから組織がしっかりと回ると思っています。頑張って下さい!
なぜかというと、以下の理由があります。
・現場の方が高単価であることが多い
・給与の上り幅の限界がある
・管理職と臨床とでは扱う業務が全く違う
・自分の専門外の仕事が降ってくる
現場の方が高単価であることが多い / 給与の上り幅の限界がある
訪問看護ステーションの給与体系は、歩合制の事業所も多く単に手取り給与だけを考えると、訪問件数を多く回っていた方が高給を得られる場合が多いです。
管理職の給与は固定制なので安定していると言えますがその反面、昇給の上り幅には限界があると言っても良いでしょう。
その理由は業績の安定が保障されている訳ではないため、組織には定期昇給などで人件費が高騰することに対してリスクヘッジする必要があるからです。
昨今で言えば、コロナ渦。これからで言えば報酬改定など、
毎年一定の訪問件数を確保できるという保証がないため管理職の定期昇給をしていくことに対して組織は慎重になります。
歩合給で働いていてももちろん不安定感はありますが働き方によっては自分でコントロール出来る裁量がある不安定感です。
対して管理職は、会社の業績や人員配置等の複合的な要件に応じた査定となることが多いので自分が関与できる幅は大きくはありません。
法人の業績に応じて毎年給与(インセンティブ)が変動することも可能性もあります。
インセンティブ減額の悲劇💦つるかめさんの経験談はこちらから↓
事業所の経営母体や運営方針によっては一概には言えないけど、一事業所の管理職/所長の給与は月額にして35万~50万円くらいかな。年収にすると450万~600万円の間で頭打ちだと思います。
長く勤続していくと年収700万円くらいになることもあるようだけど、組織本部との兼務とか広範囲のエリアの統括マネージャーの兼務とかしないとこれくらいの金額は行かないよね。
つまり、昇給と引き換えにより大きく複雑な業務を任されていくことになるということですね。
出世し続けるしかないってことです。となると、給与だけ見たら歩合のところで件数を多く回る方が業務も単純(単一)だしワークライフバランスも良いって考えちゃうよね。
それでもキャリアデザインを考えると管理職の経験と言うのは対外的にも自身の経験的にもステップアップ出来ることが多いと思うよ★だけど、
”上司に無理に説得されて”とか”臨床やりたかったのに不本意で任命された”ってなっちゃうと辛い日々が待っているかもね💦
大切なのは、自分で納得して管理職を行えるかどうか だよ。
管理職と臨床とでは扱う業務が全く違う / 自分の専門外の仕事が降ってくる
今まで臨床をやってきた療法士がいきなりマネジメントを行うことは難しいです。
なぜかというと、自分の行為の還元先が異なるからです。
臨床では利用者さん/地域に技術の還元を行いますが、
マネージャーは組織/スタッフ/地域/社会に技術や知識の還元を行います。
組織が若かったり教育/指導体制が未熟だったりするとまともに業務もこなせないまま毎日を過ごすことになります。
根本的な業務内容が臨床とは異なるのです。
その他に、事業所の営業成績や経営状況の分析、判断、実行も行っていかねばなりません。
P/L、B/S、C/Sをどう分析するか
今期の売り上げ目標を元に次期の目標をどう設定していくか
今の依頼件数に対して何人新規採用をしていくか
退職者の担当利用者の後任をどう調整していくか
などなどリハビリ以外で深く考えなければならないことはたくさんあります。
その他にも例えば、
事業所の経営状況の分析、事業所の運営方針の舵切り、各種会議への参加、細々した物品の発注、
事業所の設備点検、スタッフの人事考課、スタッフのスケジュール管理・クレーム対応、
地域会議への出席/発言(場合によっては講師)、採用面接・人事面談、BCP作成、
新規事業の考想・店舗選び、後任育成、etc,,,,,
脅かすわけじゃないけど、これ以外にもまだまだいろんなことがあるよ。
管理職は臨床(リハビリ)と言うよりも管理(マネジメント)業務だから”リハビリテーションをやりたい”と思っている人はやらない方が良いと思うな。
訪問業務には金銭的な不安定が付き物だけど、管理職はしっかりと自分の目標・ビジョンを持っていないと自分を見失っちゃうことが多いよ。
中間管理職って、大体そんな感じなのかもね💦
本当は組織の要である管理職は大切にしないといけないんだけどね💦
誰でも最初は初心者だから組織内に「エリアリーダー」「主任」「副所長」など段階立てた役職があって業務内容も徐々にエスカレーションしていくマネジメント指導体制があると良いよね。
まとめ
訪問看護ステーションで”健康的に”働き続けるためには
- 常に刺激を入れ続け
- 仕事をマンネリ化させずに
- 適正な時間で適正な報酬を上げ
- 自分に見合った仕事をする
ということが必要になると思います。
利己的になり暴利を貪ることや好奇心もなくいつもと同じことを繰り返していては
将来の自分(はたまた業界全体)に良いことは一つもありません。
我々の使命はあくまで
利他的であること
だと思います。
次回、その②に続きます、、、
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