《速報》令和6年 介護報酬改定 訪問看護の理学療法士はどうなる?

単位(介護保険・医療保険)

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令和6年度の次期介護報酬改定に向けて、令和6年1月22日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会において、新単位数などの諮問が行われました。

訪問看護の療法士の単位にも大きな変化がありました。いよいよ訪問看護ステーションで働く療法士の単位にテコ入れが入った印象です。全体的には1単位プラスの改定ですが、その裏には昔から言われている”終わりなきリハビリテーション”についてのメッセージ性が強く反映された形になっています。

これから訪問看護ステーションでの勤務を考えている方、今の働き方に迷いや悩み・不安がある方は是非チェックしてみて下さい★


都内随一の訪問看護ステーション事業所数を誇る法人で幹部をし利用者400名規模の訪問看護ステーションの管理をしていたつるかめさんが業界の”本当”について語っていきたいと思います。
※事前に過去記事:
《特集》理学療法士の転職 訪問看護ステーションの”今” ~今後の動向とその心得~ その①
《特集》理学療法士の転職 訪問看護ステーションの”今” ~今後の動向とその心得~ その②
をお読み頂いてから本記事を読んで頂くと分かりやすいと思います。

※この記事は「ケアニュース by シルバー産業新聞 6/1施行【速報】訪問看護 2024年度介護報酬改定単価」「Gem Med 【2024年度介護報酬改定1】訪問看護について「専門性の高い看護師による計画的な管理」や「歯科医療機関との連携」を新加算で評価」を引用元に作成しています。

この記事で分かること

  • 令和6年度の訪問看護分野の介護報酬改定の内容
  • 看護師との差別化のメッセージ性
  • 訪問看護で働く療法士の報酬単価の偏移




基本報酬引き上げ

基本報酬

訪問看護(要介護)

○訪問看護ステーションの場合
20分未満 313単位 ⇒ 314単位
30分未満 470単位 ⇒ 471単位
30分~1時間未満 821単位 ⇒ 823単位
1時間~1時間30分未満 1125単位 ⇒ 1128単位

・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の場合(1回につき)
 293単位 ⇒ 294単位

つるかめさん
つるかめさん

看護師訪問は 長時間になるにつれて単位数も増加しているね。

療法士は(1回につき)の表記があるから20分も60分も単位数の増加はないってことだね。



予防訪問看護(要支援)

○訪問看護ステーションの場合
20分未満 302単位 ⇒ 303単位
30分未満 450単位 ⇒ 451単位
30分~1時間未満 792単位 ⇒ 794単位
1時間~1時間30分未満 1087単位 ⇒ 1090単位

・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の場合(1回につき)
 283単位 ⇒ 284単位

つるかめさん
つるかめさん

看護師は”医療的ニーズがより高い利用者”へのサービスの提供を前提としているから介護予防の報酬単価は要介護の報酬単価に比べて低く設定されているんだよね。

やっぱり、療法士の60分訪問(基本報酬‐10%)と看護師訪問30分~1時間未満の金額を比較すると、看護師さんの方が報酬は高いんだよね。

療法士の60分訪問:256単位(284単位‐10%≒256単位)×3回 ≒ 767単位

もし、60分訪問に‐10%が無かったら、284単位 × 3回 = 852単位  となって看護の30分~1時間未満訪問の単位よりも高くなるんだけどね。
そもそもなんで‐10%(正確には90%算定)されてるんだろうね。そこからすでに看護師とのパワーバランスが調整されていたのかな💦




理学療法士等による訪問看護の評価の見直し

単位の見直し

訪問看護
<新設>1回につき8単位を減算

介護予防訪問看護
<新設>1回につき8単位を減算(※)

以下の要件を満たす場合、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問について減算を行う。
12月を超えて行う場合
<現行>1回につき5単位を減算

<改定後>
・(※)の減算を算定している場合 1回につき15単位をさらに減算
・(※)の減算を算定していない場合 1回につき5単位を減算

○ 次の基準のいずれかに該当する場合に以下の通り減算する
① 前年度の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えていること
② 緊急時訪問看護加算、特別管理加算及び看護体制強化加算をいずれも算定していないこと

‣要介護者の場合、8単位の減算 = 286単位 × 回数(3回の場合‐10%)
‣要支援者の場合、
 ・(※)の減算を算定している場合 1回につき15単位をさらに減算
  →すでに12か月以上継続している(すでに8単位減算)方に継続して介入する場合、
   さらに15単位の減算 計23単位減算 = 221単位 × 回数(3回の場合‐10%)   
 ・(※)の減算を算定していない場合 1回につき5単位を減算
  →介入期間が12か月未満の方がリハビリ介入中に介護区分変更で
   要介護から要支援に区分変更になりその後12か月を超えて介入継続する場合は
   5単位の減算 = 279単位 × 回数(3回の場合‐10%)

※解釈が間違っていたらお知らせくださいm(__)m
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について

つるかめさん
つるかめさん

いくらなんでもメッセージ性が強すぎだよね(笑)💦💦

《特集》理学療法士の転職 訪問看護ステーションの”今” ~今後の動向とその心得~ その①
《特集》理学療法士の転職 訪問看護ステーションの”今” ~今後の動向とその心得~ その②
で危惧していたことが現実的になっているね。

療法士が在籍している事業所は軽度者の割合が高いという結果もあるため、理学療法士等による訪問割合が増加すると訪問看護の役割を十分に果たせるか懸念がある

看護ニーズが高い利用者に対してもっと提供されるべき

療法士が訪問に行きすぎているのはおかしい

・療法士は看護職員の代わりに訪問させるという位置付け
・実態が訪問リハビリと同じようなサービスであれば訪問リハビリのほうでやって下さい~

今回の報酬改定では、通所系の基本報酬が上がっているから動ける人は外に行くようにしたいんだろうけれども、はたしてこれで要支援の方への社会参加の促しが盛んになるのかな、、、

※出典:ケアニュース by シルバー産業新聞「6/1施行【速報】通所リハビリテーション 2024年度介護報酬改定単価」「【速報】(地域密着型)通所介護 2024年度介護報酬改定単価




看護の変更点

新設

専門管理加算

<新設> 専門管理加算 250単位/月
<算定要件>
 専門の研修や特定行為研修を修了した看護師が訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合。


遠隔死亡診断補助加算

<新設> 150単位/回
<算定要件>
情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が、医科診療報酬点数表の区分番号C001の注8に規定する死亡診断加算を算定する利用者(別に厚生労働大臣が定める地域に居住する利用者に限る)について、その主治医の指示に基づき、情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合
(医科診療報酬点数表の区分番号C001―2 の注6の規定により準用する場合(指定特定施設入居者生活介護事業者の指定を受けている有料老人ホームその他これに準ずる施設が算定する場合を除く)を含む)


業務継続計画未実施減算

<新設> 所定単位数の100分の1を減算
<算定要件>
以下の基準に適合していない場合
①感染症や非常災害の発生時に、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、および非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定
②当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずる
※2025年4月1日より適用


高齢者虐待防止措置未実施減算

<新設>  所定単位数の100分の1を減算
<算定要件>
虐待の発生またはその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合
①虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図る
②虐待の防止のための指針を整備
③従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施
④上記措置を適切に実施するための担当者を置く


口腔連携強化加算

<新設>  50単位/回 (月1回まで)
<算定要件>
①事業所の従業者が、口腔の健康状態の評価を実施した場合において、利用者の同意を得て、歯科医療機関およびケアマネジャーに対し、当該評価の結果を情報提供した場合。
事業所は利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、診療報酬の歯科点数表区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること


緊急時訪問看護加算

<現行>
・訪問看護ステーションの場合 574単位/月
・病院または診療所の場合 315単位/月
・一体型定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の場合 315単位/月

<改定後>
<新設>緊急時訪問看護加算(Ⅰ)
・訪問看護ステーションの場合 600単位/月
・病院または診療所の場合 325単位/月
・一体型定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の場合 325単位/月

<加算(Ⅰ)の算定要件>
①利用者・家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制にある
②緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制の整備が行われている
 緊急時訪問看護加算(Ⅱ)現行の加算(Ⅰ)と同じ

つるかめさん
つるかめさん

訪問看護協会の提言通り、専門性が高くて医療ニーズの高い利用者に対しての加算が分厚くなったね。
おそらく口腔連携加算は今後も密度が濃く単位も高くなっていく項目だよ。それに関連して、栄養に関してのリテラシーも高く専門性も高くなっていく(加算がより手厚くなる)と思うな。


加算の見直し

初回加算

<現行>  300単位/月

<改定後>(Ⅰ)350単位/月
<加算(Ⅰ)の算定要件>
 新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院、診療所等から退院した日に訪問看護事業所の看護師が初回の訪問看護を行った場合
<新設>(Ⅱ)300単位/月
※(Ⅱ)は現行の初回加算と同じ
※(Ⅰ)(Ⅱ)は併算定不可

ターミナルケア加算

<現行>  2000単位/死亡月

<改定後> 2500単位/死亡月

つるかめさん
つるかめさん

退院してすぐにサービスが受けられやすくしたってこととその後の在宅ケアも手厚くしていきたいってことだね。今まで訪問看護だと特定の条件が無い限り、退院日(入院期間の扱い)には訪問に行けなかったんだけど、今回の初回加算の見直しがきっかけで訪問看護事業所側からの特定の条件(退院日の訪問看護が必要と認められた者)の交渉に弾みがつくかもしれないね。


まとめ

奇しくも、過去記事で予想した通りの速報が示された結果となりました。


今回、議題に上がった16項目のうち療法士の項目は1つだけでした。

内容に関しても見かけは1単位上がったかに見えましたがその実、長期的なリハビリの撲滅とも取れる内容でした。

看護目線で言えば、専門的で高度なサービスを提供できるプロフェッショナルにより高い報酬が支払われる体系になっているわけですから働き甲斐や目標を見つけやすい体制になってきたのかもしれませんね。

しかしながら、6:4人員体制問題や大幅な報酬単価の減算などは見受けられませんでした。

この機会を猶予として、今後の療法士の立ち位置を再確認していかねばならないと思います。

あくまで速報であるため今後、変更がある可能性もあります。



(1)基本報酬の見直し
(2)専門性の高い看護師による訪問看護の評価★
(3)円滑な在宅移行に向けた看護師による退院当日訪問の推進★
(4)訪問看護等におけるターミナルケア加算の見直し
(5)情報通信機器を用いた死亡診断の補助に関する評価
(6)業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入★
(7)高齢者虐待防止の推進★
(8)身体的拘束等の適正化の推進★
(9)口腔管理に係る連携★
(10)テレワークの取扱い★
(11)24時間対応体制の充実★
(12)24時間対応のニーズに対する即応体制の確保★
(13)退院時共同指導の指導内容の提供方法の柔軟化★
(14)理学療法士等による訪問看護の評価の見直し★
(15)特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算、
    中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化★
(16)特別地域加算の対象地域の見直し★

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